ブラックパール パリ・スラローム・ワールドカップ・エクストリーム

カリブ海でのバケーション。

なんて素晴らしい響きだろうか、、、、。人生の勝者のみに与えられる蜂蜜より甘い時間。ところが、最近セレブ達が集うこのカリブ海で異変が起きた!

BLACK PEARL 1 カリブ海に浮かぶ「CAYMAN ISLAND/ケイマン島」に巨大スケートボードパークが生まれたのだ。その名もズバリ「BLACK PEARL/ブラックパール」。

スケートボーダーにとってはディズニーランドに匹敵すると言っても決して過言ではないだろうこの「ブラックパール」、今からでも遅く無い、夏休みのバケーションをハワイからケイマン島に切り替えるのだ!

BLACK PEARL 2 スケートボードはアクション・スポーツとして確固たる地位をアメリカで保持しており、このような大型スケートパークはアメリカ国内では珍しくありません。子供の頃、誰もが一度は親に自転車を買ってもらうように、アメリカではスケボーを親にねだる。しかし、マイアミからさらに南のカリブ海に突如現れた「ブラックパール」はスケートボード関係者に大きな衝撃を与えた。

バケーションを楽しむリゾート地での巨大スケートボードパークのオープン。映画「LORDS OF DOG TOWN」の大ヒットも手伝い、70年代後期に起きた大ブームがまじかに迫ってると言う事か、、、、

BLACK PEARL 3危険なスポーツという印象を受けるスケートボードですが、先日 「CONSUMER PRODUCT SAFETY COMMISION/(全米で発売されてる様々な商品の安全を検査する機関)」が出した統計によると、アメリカでは一年間でスケートボード中にアクシデントで亡くなる子供は、年間で自宅のプールで溺れる子供よりも遥かに少なく、怪我をする確率は1000分の8.9。ちなみにこの確率を野球で見ると、怪我をする確率は1000分の21.2で野球をしてる連中のほうが倍以上の確率で怪我をしてるのが判る。

又、自分の子供の出てる野球の試合、もしくはホッケーの試合を観戦中に熱くなりすぎて対戦相手の親と喧嘩をするような茶番劇もスケートボード・パークでは見る事は無い。ヘルメット、プロテクターなどをちゃんと装備してやれば、怪我も殆どしないスポーツなのだ。近年は住宅街やショッピングモール内にも、規模は小さいがスケートパークが作られております。

BLACK PEARL 4長い歴史を持つスケートボード(商品として発売されたのは1960頃)、各地でのスケートボードパーク建設に伴い、スケートボード人口は爆発的に増えましたが、競技別人口に大きな変化もありました。。70年代〜80年代初頭はフリースタイルやスラロームが支流で、競技人口も一番多かったのですが、現在では派手な技の多い「RAMP/ランプ」や「HALF PIPE/ハーフパイプ」が支流と成っています。

玄人や、それなりの知識を持ってる人じゃないと見てても面白みの無いスラロームやフリースタイルよりは、派手な空中遊戯が多いランプやハーフパイプのほうがスケートボードを知らない万人に大きくアピール出来たからではないでしょうか。

BLACK PEARL 5 しかし、例外も有り、アメリカから遠く離れたフランスではスラロームの人気は根強く、5月(2005年)に「第三回/パリ・スラローム・ワールドカップ」が、かの有名なエッフェル塔の麓で行なわれました。

えっ?

2012年のオリンピック逃したからヤケになってんじゃないかって?

ノンノンノン。

毎日チーズバーガーにコーラ飲んでる人種と、フォアグラに赤ワインを嗜む「御フランス/おふらんす」の方々とアメリカ人一緒にしないで下さい!派手な技ばかりに目を奪われ、地味ながら100分の1秒を技師達が競う知能のスポーツで有る「スラローム」に目をくれない大味なアメリカ人と気品あるフランス人は違うんです!

BLACK PEARL 6 最近アメリカでも再びフリースタイルやスラロームを見直そうという動きが出て来てはいますが、ムーブメントとしてはまだまだ。70年代〜80年代にフリースタイルやスラロームで名声を得たライダー達ですら、自社のブランドではフリースタイルやスラロームの選手へのエンドース(契約)を殆どしていません。

「パリ・スラローム・ワールドカップ」は土曜日から月曜日迄の3日間開催され、男性の部、ジャイアントスラロームの部、女性の部の三部に別れて行なわれ、アメリカからは15名の選手がこの大会に参加しました。

BLACK PEARL 7 試合が行なわれた3日間はあいにくの天気で、朝から雨が降ったりやんだり。しかし、天気は悪くともひとたびレースが始まると、激しい争いが繰り広げられた。

男性の部ファイナルでは「LUCA GIAMMARCO/ルカ・ジアマルコ」と「MICHAEL DONG/マイケル・ドング」が激しいデッドヒートを繰り広げ、全くの同着でゴール。しかし途中でコーンを一つ倒した「MICHAEL DONG/マイケル・ドング」に10分の一秒が減点され、この日の勝者はLUCA GIAMMARCO/ルカ・ジアマルコ」に決まった。又、「ジャイアント・スラロームの部」では「JASON MITCHELL」が圧倒的な早さで優勝を飾った。

「パリ・スラローム・ワールドカップ」は年々盛り上がりを見せており、今後このムーブメントがアメリカへ逆輸入される日もそう遠く無いかもしれません。そうなればそこから新しいスターが生まれ、再び70年代中期に起きたような巨大なムーブメントも起こりうる可能性もあるのではないだろうか。
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